GP発祥の地・立川競輪場で29日に行われた「ヤンググランプリ2019」は、松本貴治(26=愛媛)が優勝、賞金508万円を獲得した。
9人が単騎のコメントで始まった一戦で、初手の位置取りが注目された。車番のいい松本は111期同期・南の後ろに。このポジションが有利に働くことになる。「南君は何かすると思っていたのでいい位置でした。野口さんが目いっぱいで来たけど、踏める勢いの感じでした」とレースを振り返る。直線では一気に突き抜けていた。
今年は勢いあふれる中四国勢の主力の一角としてGⅠ戦線での走りが続いた。しかしトップクラスとの対戦では力を発揮できない。「予選を通過できないのは実力です」とカベにぶつかる。それでもこの勝利には「一発レースで勝てたのは自信になります」と笑顔を見せた。
昨年、ヤンググランプリプリを制したのは同じ四国の太田竜馬(徳島)。改めて中四国勢の若手の強さを証明することになった。太田は以後GⅢを4度制して力を見せつけた。太田に続けとかかる期待は大きい。
「しっかり四国の先輩の信頼に応える走りを。GⅠの決勝戦に乗りたい」
ふだんは物静かだが、この時の言葉は力強かった。さらなるパワーアップをはたしビッグレース戦線を引っ張っていく。(緒方 泰士)
♤松本 貴治(まつもと・たかはる)1993年(平5)12月22日生まれ、愛媛県松山市出身の26歳。朝日大卒。17年7月デビューの111期。師匠は浜田浩司(愛媛・81期)。通算成績は219戦86勝。通算取得賞金は5579万円。主な優勝は19年ヤンググランプリ。1㍍72、80㌔。血液型O。
▼森田優弥(2着)自分の楽だと思うところで回していた。出て行こうと思ったが結構、きつかった。
▼松井宏佑(3着)全然脚は残っていた。獲れたレースなので悔しい。
▼野口裕史(4着)もうワンテンポ遅く行ければ良かった。
▼宮本隼輔(5着)脚がなかっただけです。
▼藤根俊貴(6着)出遅れたところが2、3カ所あった。脚は残っていた。
▼河合佑弥(7着)1回前に行こうと決めていた。勢いが違った。
▼南 潤(8着)松井さんが上を行っているので脚がなかっただけです。
▼上田尭弥(失格)あそこしかないと勝負して行ったが…。
松本 ヤング王子 位置取りズバリ直線一気
2019/12/30